今、派遣ではたらいていて、正社員の求人にチャレンジしたいというご相談や 派遣社員 から正社員になるために苦戦されているとのお話もよくうかがいます。派遣で働きながら、正社員の求人を狙っている人もたくさんいらっしゃいますから、派遣で働きながら、正社員になるための準備(正社員になるための派遣での働き方)を考えてみたいと思います。
派遣から正社員への転職は不利とよくいわれますが、実際は、この人手不足のご時世ですから、仕事のできる人なら前職が派遣でも就職に成功している人はいます。いちがいに派遣がだめなのではありません。
経済的な観点で考えますと、コストパフォーマンスは、正社員のほうが絶対よいわけで、正社員から派遣へはいつでも戻れますから、ぜひ、人手不足といわれているうちに正社員にチャレンジしたいところです。
では、正社員への転職を目指すとき、どうして派遣は不利といわれるのでしょうか。
先ほども申し上げましたが、派遣、そのものが悪いのではなくて、派遣先の会社に正社員に誘われる人もいます。
残念ながら今の「派遣」という雇用体系、枠組み(フレーム)が、人の成長を妨げる要素を持ち合わせてしまっていて、「派遣」で就労する人の考え方や仕事のスタイルを制限してしまったり、長く派遣で働くと、どっぷりと派遣の環境に染まってしまって、周囲のネガティブな話を聞いているうちに自分の考え方までネガティブになって、ネガティブの悪循環から抜け出せなくなるのが問題なのです。人は、所属する環境に知らず知らずのうちに影響されやすいので、つきあう人や身の置き場所は考えたいものです。
一方で、派遣社員から正社員になることのデメリットとしてあげられるのは、「責任が重たくなること」ですね。責任が重たくなることの対価として、お給料がもらえるのが会社社会のルールなので、お給料をよくしたい人は、責任のある仕事にチャレンジしましょう。年齢を重ねるとチャレンジするのがおっくうになったり、家庭環境をはじめ、チャレンジを妨げるファクターがふえていきます。環境を大きく変えるのはとても勇気がいります。リセットしたいと思っても、毎日の生活のことを考えると思い切ったチャレンジができない、派遣社員を続けながら正社員の求人に応募しようとしても時間の制約があって、思ったような成果を得られない、気持ちがへこんで、悪循環になる・・・。アピールできる武器を持たないで、面接にのぞんでも残念な結果が待っています。
それなら、派遣社員から正社員にキャリアチェンジできるように、すぐにできることから準備してみませんか。
1、時給でお金をもらうこと、から自由になろう。
まず、派遣の仕事は時給で計算されます。何時間働いたら、いくらになる、の考え方が人の成長を妨げるんですね。限界をつけて仕事をするようになります。1時間いくらで、労働を切り売りする働き方では、いつまでたってもお金持ちにはなれません。時給仕事から解放されてください。
2、学びの時間をつくって、自分の仕事を自分で評価できるようにしよう。
派遣社員の仕事は、評価されにくいから、自信をもてないのが、残念なところです。派遣社員は派遣会社“の”社員ですが、派遣会社の営業担当者やコーディネーターの人は、派遣先の業務やあなたの働きぶりは伝わりにくいものです。本当にあなたの仕事ぶりをわかってくれて、正しく評価してくれるのは、実際に働いている職場の人であるはずです。派遣社員は、就業先の社員ではありません。だから、就業先で仕事の指示を出してくれる派遣先の人はあなたの能力開発に責任はありません。面倒見がよい人がいて、派遣でもわけへだてなく教えてくれる人がいるかもしれませんが、あなたのスキルアップに責任を持つ人ではありません。あなたの勤務ぶりを見て「引き上げてくれる人」「違う世界を見せてくれる人」の存在がキャリアアップ、スキルアップのきっかけになることがあります。仕事の恩師とでもいったらよいのでしょうか、このような人との出会いは派遣社員では確率が低くなります。
きびしい言い方かもしれませんが、派遣で仕事を続ける限り、自分のキャリアには自分で責任を持つしかないのです。毎日の仕事の中で学んだこと、特に人の動きや考え方に注意して、メモをつけるようにするなど、自分で学びの時間をつくるようにしましょう。評価されている人の仕事ぶりは参考になります。職場で評価されている人をお手本にして、自分で自分の仕事を評価できるようになると、正社員になったときに、やるべきことが明確になります。当然、目的意識の高い人は、正社員の面接で評価が高くなります。
3、仕事とのつきあい方をかえよう。
派遣社員の仕事は、「仕事をつくる」仕事ではなくて、「こなす」「対応する」仕事が一般的です。指示をされて仕事をする、指示を待つ時間が長い、自分で計画を立てる機会がない。そういう仕事習慣を続けていると、性格まで「受け」になってしまうことがあります。「受け」仕事が積極性を失わせるのです。
会社からの与えられるハードな課題、上司のめちゃくちゃな指示や理不尽、非合理な指示をこなしているうちに実力がついてくるってこともあるもので、派遣社員の場合は、このような実力以上の課題を与えられる機会に乏しく、結果として大きく能力を高められないのがキャリア形成上問題となります。
仕事の中でしか見につけられない能力もあります。簿記を勉強しても、職場での仕訳の際には会社ごとのルールや方針、解釈があり、テキストどおりにはいかないことがあります。キャリアを積んでいくためには、業務をこなしていくための「運用力」や「業務遂行能力」が求められるわけで、派遣社員と正社員の間には明らかに「情報格差」もありますし、スキルアップの機会は制限されます。
「受け」仕事になるのは仕方がないとしても、日々の仕事において、ひとつの仕事にかかる時間を把握するようにして、自分の中で効率があがっているかなど自己評価をするとよいと思います。昨日より、1分でも時間が短くなった、でよいと思います。仕事の質をあげたり、仕事の密度を濃くする訓練をすることで、モチベーションがあがったり、気持ちの余裕がでてきますよ。
この3点について、自分なりに仕事の仕方を変えると、ぐっと正社員への道が近くなります。派遣で働きながら、正社員になるための準備(仕事の取り組み方)をしてみてください。
派遣会社は、紹介事業も行っていることが多いので、正社員の求人や紹介予定派遣の求人も持っています。よい人材はいつも探していますから、声をかけてもらえる可能性もあるでしょう。
リーチアップジャパン株式会社では、職務経歴書に書けることを増やしていけるようにお手伝いします。時間がかかっても納得できる転職をしたい方のご相談を歓迎します。